留学生の就職について思う3つ(+1つ)のこと。その2

前回の記事で
  

1.何をしたいのか?が明確か?
2.何ができるか?が明確か?
3.日本人特有の湾曲した表現
4.日本の構造を解っているか
    
この4つが正しく理解できている留学生は就職活動は「勝ちやすく」
そうでない留学生は相対的に「苦労している」というのが正直な観想です。

と書きましたが、それぞれもう少しだけ補足。
  
1,2に関しては、留学生自身の国(例えば僕がマレーシア人だったら、マレーシア、中国だったら中国)の状況を当てはめながら、考えてみてください。

「なぜ、現地(日本・マレーシア・中国)でわざわざ外国人を採るのか?」という問いに、どれだけシンプルに、力強く答えられるか、がポイントです。
  
例えばマレーシアで考えると、「マレー語、中国語、英語が現地のマレー人よりも数段落ちる」「文化的理解も100%ではない」外国人(例えば日本人)を、”なぜ”とるのか、という風に置き換えてもいいかもしれません。
  
留学生の皆さん、ご自分に答えはありますか??
「●●だから!」とシンプルに答えられますでしょうか。もし、自分が「なぜあなたを採らなくてはいけないの?」
と聞かれていたら・・・どうしますか?
  














    
さらに”仮に”、皆さんが母国にいて、面接官をやっていて、目の前に座っている日本人留学生相手に
「あなたを当社で雇用するメリットを教えてください」と伝えて返ってきた言葉が、
いま皆さんが考えた言葉だったとすると「お、採りたいな?」って思えますか?
  
思える!と思えた人、すばらしい。逆に「微妙・・・」と思った人、それが正しい判断かもしれません。
日本の会社が、日本人の若年層をとる”意味”は実はいくつかあります。
社内の活性化(言葉がパーフェクトにわかる、かつパワーがあって優秀な後輩が入ってくる)
伝統的に低い若年層の賃金(この話はまた後日)、そして文化の継承(日本企業は結構これを大事にします。)etc…
  
一方、外国人、留学生の想いはどうでしょうか?いくつかに関しては「え、日本企業ってそんな事考えてるの??」
という感想、持つのではないでしょうか・・・。
  
で、そこで思考を止めてしまうのはもったいないので、もう一段深く考えてみます。
  
「そうはいっても、私は留学という投資をしている、是非日本で働きたい」
と思ったとして、「ではどうするか」が大事です。
  
シンプルに考えれば、隣に居る日本人の同級生以上に企業にとって「魅力的」な人材になる以上の回答はないはずです。
しかも、できれば最近流行の「ダイバース/ダイバーシティ」”以外”のポイントで。
企業によっては直近で海外進出をしている・考えている、というポイントにうまくはまる場合もあるだろうし、
一方、そうではなく、そもそも「その人がいるから」海外展開を考える、というパターンもあると思います。
  
できれば、後者、の「あなたがいたから」海外進出を考えられる。位の人材にどうなるか、どうそう思ってもらえるか、
その突き詰め方と、考え方が大事なんだと思っています。
  
いかがでしょうか?

1.何をしたいのか?が明確か?
2.何ができるか?が明確か?

この2つを明確にする事で
「あなたが入る事で、企業が海外展開すら考えられるほど魅力的な人材だ」
と企業が思う、そこまで考えていれば、企業は黙っていても、留学生の皆様を採りにくる、そう思います。

※ちなみに、ちょっとだけ告知です。
もし、この話に興味がある方は、ask(at)asunova.comまで、名前と連絡先、所属学校などを明記の上、ご連絡ください。
先着5名の方、無料にてキャリア相談、承ります。

それでは。また次回。

「留学生の就職について思う3つ(+1つ)のこと。その2」への2件のフィードバック

  1. 初めまして、楽しく拝見させていただきました。
    上記1と2に関しては、どの国へ行っても共通して問われる問題ですね。私も複数の国にて就労した経験がありますので本当に仰るとおりだと思います。実際就労ビザの下りる条件もその国の人に代わって「何が出来るか(貢献できるか)」というのが就労ビザの審査の基本原則でした。
    但し1点「何をしたいのか」に関して日本の会社は必ずしも重視しているかといえば正直どうかなと疑問に思うことが時にあります。特に大手の日本企業の場合ですと新人の方の場合では始めは自分の「何をしたいか」ということよりも、雑務全般から始まり様々な経験を積ませ、そこから適性を考慮して配置する→本人の初心とは必ずしも一致するとは限らない。従ってここの点に関してはケースバイケースであるとか認識しています。会社側の立場からはジェネラリストを育てるのには利点があるかとは思いますが・・・

    3と4に関して日本人にとっては当たり前のことですが、外国人にとっては理解するのが容易ではないようですね。私の周りにも多くの留学生や外国人の知人が多いですが、日本語を流暢に話せる人材はとても多いですが、日本特有の習慣や文化を理解している方は現実少ないと思います。自国で培った観念や常識から抜け出せないでいると、日本はどうたとか日本人はどうだとかネガティブな思考回路から抜け出せないでいる外国の方は結構いらっしゃるかと思います。結果失望して帰国されるケースも多々見てきました。日本の方も海外に出ると全く同じようなケースがあります。どれも共通しているのが今迄育った環境で培った「固定観念」から抜け出せず、何故自分と違うことをするか受け入れないからであると思います。という私自身も同じようなケースで相手を責めたり自分を卑下したり数々の失敗談を多く持ちます。私がこのような経験から学んだことはまず「固定観念を外し」、良いか悪いかを別としてその現実に先ず向き合うこと、そしてお互いに最良なゴールを追求するということでした。それ以来今まで見えなかったことが見えるようになったり、どんどん先に進めるようになってきました。これから先日本人であろうと外国人であろうと海外との架け橋になる人材はただ言語能力が優れているだけでもなく、ただ優秀な学位を持っているのではなく「固定観念」から脱却したところから物事の判断し、それが上手く出来ない人がいればそれを助けることに価値があるんではないかと思い日々前進しているこのごろです。 長々と大変失礼致しました。

  2. Tommy Kawaiさん、コメントありがとうございます!

    >私がこのような経験から学んだことはまず「固定観念を外し」、
    >良いか悪いかを別としてその現実に先ず向き合うこと、
    >そしてお互いに最良なゴールを追求するということでした。

    おっしゃる通りだと思います。

    ゼロベースで、「何を(この国・この状況・このタイミングで)正しいとすべきか」を考えて、郷に入る。これを体でわかる事がまず結構大変なんだ、と何人もの面談を経て思っていたりします。

    ただ、日本以外の国の人からして「受け入れがたい」という事があまりに多いと、結果として日本に来てくれたのに嫌いになってしまう人が多くなっていくので、ベースとして、(日本に特化して言えば)国・風習・日本人が少しずつ歩み寄らなくては行けない、という面は多々あると思っています。

    少しでも日本人だけではなくアジア人、そして世界の人々から見て「魅力的な日本」になれたら、、、すてきですよね!!

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