面と点の勘違い。

去年の年末、某社のコンサル案件で上海を回っていて思っていた事を、

最近再度認識するような事があったのでメモ。

立派な上場企業の現地法人社長やMgrと話をしていて

「本社は市場の厳しさをわかっていない」

「むちゃくちゃな目標を突きつける」

みたいな話が出てくる事、よくあります。

でも、「いやいや、本社側も海外事業支援室とか、新規事業開発室とかが、それなりにマーケティングやってるから・・・」

みたいな事を思ったりしていたのですが・・・。

どうも判を押したように同じ言葉が出るので、これはこれで仮説として「本社の目標は正しくない」

って置いてみたらどうなるんだろう??って思って調べた事がありました。

で、もう少し詳しく話を聞いていくと、一番現地責任者が本社からの指令へのギャップを感じるのは

”成長率”

「今年○億円の売上を上げたのであれば、来年はその3倍、売れるだろ?!」

というたぐいの物。


市場規模は価格×数量の伸びで決まる。成長率は価格or(and)数量の伸びできまる。

数量=客数と考えてこの客数をもう少しばらすと

価格×(市場数×平均市場客数)=全体市場規模

ですよね。

で、ここからが大きな勘違い、

平均の市場客数が増えていくから(=自社が戦っている市場に客が流れてきているから)

大きく市場があがっていくんだよ。

という前提に立っている会社は、結構厳しい事が多いみたいです。

例えば、フリーペーパーやタウンページの様な物の「厚さ」「コンテンツ」を年度別に見ても、

一つのカテゴリーが劇的に増えている、というよりは、新しい業種・職種・業態の店舗が増えていくイメージ。

そんなに劇的に「所得が上がった結果」「今まで買っていなかった層が購買につながり」「客数が上がる」というような図式は成り立たない、というのが現状じゃないでしょうか?

むしろ、小さな新しい市場がたくさん増えている”から”市場規模(一番マクロはGDPですね)があがっている。って言うのが現実じゃないかと。新興国だからこそのマジックというか錯覚、面でとらえると「自社のいる市場は成長している」でも、点でとらえると「隣に市場ができ始めた、という場所が多い」この2つって大きく意味合いが違い、、、ます。