手続き社会と統治の方法。

先週後半は毎日、ここの実務支援講座に行っていた。
 
 
そこで感じた事は、
 
 
中国はめちゃめちゃ法律・紙+手続き社会だと言う事。
得に外資が何かをするときに必要な事は、一にも二にも「申請」
 
 
それも、非常に分かりにくい。
A地域が「OK」といってもB地域は「NO」という。これ日常茶飯事。
 
例えば税金。AとBは所轄省庁が違うとすると、何がおこるでしょう?

 
■問題
A地域でおさめていたX社が、B地域に移転する事になりました。
移転元のA税省に連絡をすると、「税金はこちらでおさめて、B地域には支店を作った事にすれば大丈夫」
などと言われます。
 
A税省がそういうなら、と引っ越しの準備をすすめ、いざ引っ越しをして、営業を開始
中国では一ヶ月ごとの納税の為(!!)月がしまってすぐにA地区に納税をした。
 
 
・・・
・・・後日。
 
 
経理部門が真っ青な顔をして総経理(社長)に走りよってくる。
経理:「大変です」
社長「どうした?」
 
さて、何がおこったでしょう。














 
 
正解は

「営業活動停止」
 
 
B地区で納税をしていない(場合によっては登記していない)場合、X社にはそもそも営業権がない、
もしくは営業権をもっていても納税をしていないので、それ以上の営業行為が認められない。
かつ、A地域は転出届登記をなかなか認証せず、いつまでたってもB地域での営業ができ無し。

こんな事例、結構あります。
 
本来的には、
 
A地区での登記を「消し込み」し(納税等の権利関係を綺麗にし、退出処理をする)
B地区でもう一度「移転届け」をだし、納税登録をして、営業許可所をもらう。
その上で初めて営業が可能になる。
 
大雑把にこんな手順が必要になってきます。
・・・
・・・
これをきいて凄い違和感でした。なぜって、確かに株式会社でも定款の定めによって住所は規定されるモノの、
悪意がない場合の強制業務停止などは聞いた事がありません。
 
 
でも、次の説明を聞いて納得しました。
1中国は基本的に縦割り社会。
2税収はそれぞれ地方の収入。国は上納金をもらう、と言う感覚

とくに2番は日本人の感覚と大きく違います。
例えば極端な話、個人が港区にすもうが、渋谷区にすもうが、神奈川県横浜市に住もうが、
国税と言う観点ではインカムは一定です。
さらに、ほとんどの都道府県は国からの補助金でまかなわれています。
どこの地域から取った税金でも、ルックスルーすれば国が一括で徴収をし、地方にばらまく、
これが日本の税収です。
 
 
一方中国は逆。
地方が税金を集め、国に上納する。
税収の責任は地方にあり、多く集めた地方がより優秀。
だとすると、移転はしてほしくないし、消し込み作業は非常に消極的。
ともすれば「移転しても税金だけはうちに」ともなりかねない。

日本式の政治のいい所を見た気がしました。



とつらつら書いてみましたが、
縦割り社会+上納金精度のおかげで、手続きが多く、フォーマットがたくさんあります。
アメリカ以上の法律国家、(アメリカは法律国家だけど合理的な考え方をするから、手続きは簡素化の方向)+手続き社会。これを頭に埋め込まなくては、と思った3日間でした。
 
 
非常に多くの気づき+いい出会いもたくさんあり、今後の展開が楽しみです。